NY&デラウェア旅行記 5日目−1

7月23日(月)


2日間のフェスが終わった旅行最終日はまずはニューヨークへの帰路に。
ドーバーからバスでデラウェア州最大の都市、ウィルミントンへ。
そこからはアメリカ旅行初のアムトラックでニューヨークへ。
約2時間の乗車ではウィルミントンを出てすぐにフィラデルフィアを通り、その高層ビル群が見られたり、
デニス・ロッドマンの出身で犯罪都市として悪名高いニュージャージートレントンを通ったりした。
ニューヨークのペンステからこの日のホテルに移動、1泊だけだけど、前2泊より良いホテルをとのことで
アッパーウェスト、セントラルパークのコロンバスサークルからもすぐのホテルハドソンへ。
とりあえずオシャレなホテルで従業員も美男美女揃という前評判だったけど
フロントで対応してくれた人がもろライアン・ゴスリングでビックリした。
部屋も広くはない(むしろ狭い)けど、綺麗に整っていて一人では十分だった。
そして、高層階にあるルーフテラスへ、チェアーやハンモックが置いてあって、見晴らしも最高
ここはゴシップガールのシーズン2でブレアがパーティーを開いた場所ですね。
さてまだ昼前だったけど、また軽くセントラルパークを散歩したり、辺りをぶらぶら。
セントラルパークでは平日昼間からいい大人たちがソフトボール大会をやっていた。
リンカーンセンターも実は初めて行ったかもしれない。
セントラルパークを挟んで西と東にそれぞれ素敵な街があって、相変わらずこの大都市の虜になる。
ホテルの部屋でみたテレビではイチローマリナーズからヤンキースに電撃移籍したと報じられていた。
さぁ、最終日の夜は野外で wilco のライブということで、地下鉄を乗継ぎブルックリンに移動。



ウィルミントン駅

ホテルハドソン 外観

ホテルハドソン ルーフテラス

リンカーンセンター

NY&デラウェア旅行記 4日目−2

デスキャブがやや早めに終わったので急いでステージ移動。
もう一つのメインでは間もなくThe Flaming Lips の登場だ。
これまでのアメリカライブ旅行ではデスキャブを観なかったことは1回あるけど、
リップスを観なかったことはない、まさに皆勤賞。
しかし直近の色んなアーティストとコラボしたンアルバムは未聴、
どうも「emborionic」以降の路線にはイマイチ嵌れないでいる。
リップスを観に来る客は他のバンド以上に陽気でいつになくハッパの匂いが凄い。
オープニングは「Race for the Prize」から、もうこれに敵うものはなし。
相変わらず色とりどりのボールが飛び交って、ステージ袖では素人ダンサーが踊っている。
ヤーヤーヤーソングが続いたあと、ウェインのスペースバブルが、知らない間にオープニングじゃ無くなったんだね。
観客の頭上をクラウドサーフィンしている間の曲はピンクフロイドらしい。
それからしばらく知らない曲が続いたけど案の上、コラボアルバムからだったみたい。
その後はお馴染みの曲ばかりで本編の最後に「What is the Light」「The Observer」の名曲2連発。
去年の「The Soft Bulletin」セットの名残で最近でも演奏することが多いみたい。
「What is the Light」ではスクリーンに歌詞が映し出されて、ウェインと観客の歌声がシンクロしていた。
アンコールの頃にはすっかり暗くなって、最後は「Do You Realize ??」。
結局リップスのライブは最後にこれを合唱すれば、大団円って感じで締めくくれるようになってる。


さて、またステージを移動してフェス最終日の大トリで The Black Keys
前々から存在は知ってたし、今まで行っていたフェスでも今思えばラインナップされていた。
中堅クラスの扱いだったと思うけど、直近2作で売上も人気も急上昇、気がつけば
今年のフェスではコーチェラを含めて軒並みヘッドライナーとなったみたいだ。
ギターとドラムの2ピースで曲の方は王道のガレージロック。
最新作からのプロモで黒人のおっさんが絶唱してるのも話題になった。
直近2作はしっかりと予習したので、それなりに分かる曲も多くてうれしい。
観客もフェス最後のアクトだというのを噛みしめるように思い思いに歌ったり踊ったりしている。
演奏の方は音源に忠実でありながらも、ライブならではの迫力ももちろんあって
まさしくロックコンサートと言った感じだ。
本編最後に前述の「Lonely Boy」のイントロが来てこの日一番の大歓声。
自分も思いっきり大合唱してしまった。アンコールも2曲やってライブは終了。


Firefly Fes はのどかな地方都市開催で、フェス以外は何もないけど
フェス環境自体は良いので、会場近くのホテルを取れたらなかなか良いフェスじゃないだろうか。







NY&デラウェア旅行記 4日目−1

7月22日(日)


午前中は何もすることが無いので、ホテルのベッドでダラダラ。
ホテルの外に出てみても、田舎だから何もない。
昼前にホテルを出て、フェス会場へ。
フェス最終日の今日はまず The Head and the Heart。
シアトル出身、サブポップ、インディーフォークというキーワードを聞けば
そんなに外さないのは容易に想像できるけど、事前に予習した音源はやはり素晴らしかった。
男女混成ボーカルで、かなり深めのフォークだけど、メロディーはしっかりしていて聴かせる。
都市的というよりはアメリカ郊外の自然豊かな土地がしっくりくる感じ。
で、肝心のライブは真昼間でバンドの世界観とはやや違う感じだけど
まだ唯一のアルバムから万遍なく演奏してくれた。
個人的に「Heaven Go Easy on Me」っていうアルバムラストの曲が大好き。
ボーカルの女の子が「素敵なフェスで素敵なバンドとステージを共有できて光栄よ」って
言ってたのが印象的。日本での知名度ももう少し増してきたらなぁ。


その後はデスキャブまで時間潰し。森の中だから日陰が多いから暑さもそこまで気にならないし
ハンモックで寝そべれるスペースがあったりするなどアトラクションにも工夫が凝らされている。
ステージ上ではCold War Kids が演奏している。今まで海外でも何回か見た気がする。
徐々に前方へ移動、終わったら人の波をかき分けてさらに前方へ進むと、すぐ隣に自分と同じ
ペースで前進している少年が。思わず目があったので「デスキャブ?」と尋ねると「ブラックキーズ!」だと。
さぁ、フェスでのデスキャブ。3日前にニュージャージーで観てるんで、今日はやや余裕あり。
「I will possess your heart」のお馴染みイントロからスタートし、定番曲が続いていく。
前方だけど、ブラックキーズ待ちが多いのかそこまで熱狂的な感じはない。
アメリカフェス特有なんだけど、好き嫌いに限らずバンドの演奏中にみんなうるさい。
フジやサマソニでも日本人は大人しく聴いてるけど、アメリカは雑談しまくる。
それに辺りもまだ明るいしで、3日前のホールでの大歓声と一体感比べると当然物足りなかった。
「A Movie Script Ending」や「We Looked like Giants」のような単独では無かった名曲を
後半に一気に持ってきて、選曲的には良かった。最後も「Soul meets Body」と「Marching Bands 〜」。
セットの時間的にはまだ余ってたけど、15曲くらい演ったので終了。
演奏も、バンドの状態も良かったけど、やはりやや消化不良感は否めない。
それは客の反応だったりとか、セットの短さだったりするけど、いずれにしろ好きなバンドを海外で
複数回観る時は昨年のようなフェス→単独の流れの方がベターだと実感した。
バンド的にも1年以上続いた「Codes and Keys」でのツアーもアメリカ本土はこの日がラストだったけど
(その後は日本とハワイだけ)こんな感じで良かったのだろうか。





NY&デラウェア旅行記 3日目−3

さてこの日のヘッドライナーは The killers 。ついにこのバンドを観るときがやってきた。
思えば2009年フジのオアシス前の完璧な流れをキャンセル。
その後の来日も東京に行くつもりだったけど、家族の不幸でキャンセル。
日本と欧米との温度差は増す一方も、このアメリカを代表するスタジアムバンドを一度は拝んでおかないと。
ステージがセットされるとお馴染みのネオン模型も飾られている。辺りはすっかり暗くなってバンドが登場。
初めて観る生ブランドンはやっぱり男前で、いきなり「Somebody Told Me」のイントロが。
フェスのトリに相応しい必殺曲が1曲目から投下される。
想像通りオーディエンスの合唱は凄く、ブランドンの声さえかき消させる勢いだ。
ドラムの人の熱心なプレイ振もギターの人の佇まいも何度も動画で見てきた光景だ。
特に前方のスピーカーに乗っかかって拳を振り上げながら歌うブランドンは
想像以上にカリスマ性があり、これぞロックバンドのフロントマンといった感じだ。
序盤の新曲「Runaways」は今までのシングルのような派手さはないものの
非常に「らしい」曲で秋発売の新作も期待させる。
中盤での「Human」、サビをオーディエンスに任せ、みんなも全力で応える。
「アウィーヒューマン?オアーウィーダンサー!マイサイニズバイタル、マイハンズアーフリー!」
この高揚感は Oasis の「Don't Look Back in Anger」の大合唱にも匹敵する。
本編終盤も「Mr Brightside」「All These Things 〜」の2曲で締められる。
キラーズの過去カタログはそれぞれに必殺曲が入っており、甲乙つけがたいが
やっぱり1stこそがベストだという想いが強くなる。
すぐのアンコールでも新曲を織り交ぜつつ、ラストは2ndから「When You Were Young」。
派手な視覚効果や紙吹雪も相まって、フェスのトリに相応しい、熱いライブは終了。
最高のライブが大好きな歌をバンドと共に大合唱し、それで得られるオーディエンスの一体感と空気
であるとすれば、このキラーズのライブにかなうものはそうはないんじゃないだろうか。
あとで知ったところによると、この2日後にNYのそんなに大きくない箱でライブがあるとのこと。
その日は wilco の予定だけど、やはりキラーズをもう一度観たいと思わずにはいられない。




NY&デラウェア旅行記 3日目−2

「Firefly Fes」は今年が初開催。地方都市のやや外れ、一言でいえば森の中って感じだけど
フジのような山の中というような印象はない。そこにステージが4つくらい広がる。
移動もし易いし(大きめのメインステージ2つも移動はせいぜい5〜10分程度)
もちろんグッズ売り場や飲食も並ばずで相変わらずうまくオーガナイズされたアメリカフェスの典型例といったところ。
この日は土曜日で2日目、夕方に会場で到着すると入ってすぐのステージでCakeが演奏中、
確か新作はビルボードで1位を取ったはず、相変わらずゆるい感じのステージングもしばし見入って退散。
奥の方のメインにはModest Mouseが登場。前日のニュージャージーから2日連続でのライブ。
セットリストは前日と大差ない感じ、直近では「Good News 〜」からの比重が増しているような。
2日間で「Paper Thin Walls」が聴けなかったのは残念だけど、もうお腹いっぱいというくらいModest Mouseを堪能した。



Cake

Modest Mouse

NY&デラウェア旅行記 3日目−1

7月21日(土)
早朝にホテルをチェックアウト、この日は「Firefly Fes」のためデラウェア州ドーバーへ移動。
しかし東海岸フェスだけあってNY等からの参加を見越しており、フェス会場まで直行のバスを準備してくれている。
集合場所はマディソンスクエアガーデンの裏側、しかし集合10分前になっても誰も来ない、
時間に余裕を持って行動するのは日本人だけなのだろうか。
それでも無事にバスも到着、2席を独占できたので車内では余裕を持って過ごせた。
ここからの車窓には大いに期待していたが、正直それほどでは無かった。
それでもアメリカってだけで飽きずにずっと窓の外を眺めていたから、やっぱり好きなんだろうなと自覚する。
予定より早く2時間半程度でデラウェア州ドーバーに到着。
デラウェアって聞けば日本ではブドウの品種?(実際はブドウはオハイオ州)っていう認識しかない
かなり存在感の薄い州だと思う。自分もまさかこんな州に来ることになるとは思わなかった。
ドーバーは空軍基地があるのと、モーターレースをやる有名なスピードウェイがあって、
その奥の森に近い草原が会場になっている。町に入ってすぐ今日泊るホテルを発見。
ここで降ろして欲しかったけど、そういうわけにもいかず会場までバスは乗り付ける。
といってもまだ午前中でフェスも始まっていないのでホテルに行くしかないが
引き返す手段が徒歩しか思いつかない。
ただ道は1本で確実に戻れるのでスーツケースを引いて歩いたが、
アメリカの田舎の幹線道路で通行人もいないところを東洋人が一人で歩いている姿はかなり面白い光景であったに違いない。
ホテルには正午頃には着いたが「チェックインは15時からだからまだ無理」と無情にも言われる。
おいおい、NYならともかくこんな田舎で3時間もどうしろと言うのだ?
仕方なくスーツケースは預けて会場とホテルの中間地点にある「ドーバーモール」というショッピングセンターに時間潰しに行く。
それでもアメリカの地方のモールというのは非常に興味があって良い体験だった。
その日は土曜日だったけど、家族連や老夫婦や若いカップルなんかがこういうところで買い物して
フードコートで昼飯を食うんだよ、ディスイズアメリカ!!なんて思ったりした。
メシを食ってもまだ時間があるのでモールの中のシネコンに行ってみる。
ちょうど「アメージングスパイダーマン」が始まる10分前だったのでこれだ!!と思いチケット購入。
思わぬ形でアメリカで初めての映画観賞となる。コメディ映画の予告編でみんな大爆笑なのもアメリカらしかった。
肝心の本編も最初の頃は英語を必死に聴いて理解しようとしていたし、そもそもスパイダーマンだから
ストーリーも簡単に追えるのだけど疲れて途中で寝てしまった・・・。
さてホテルに戻って無事チェックイン。さすがにまた歩いて会場まで行くのはだるいからフロントでタクシーを手配してもらうも
最終的には電話番号を渡され、行く時間になったら自分で電話しろと言う。
それで部屋で支度して電話したら迎えに来てくれたけど、なぜか別のおっさんがちゃっかり便乗してきて相乗り。
車だと5分かからずで到着。チケットも無事引き換えていよいよ「firefly fes」の始まりです。



NYのマディソン・スクエア・ガーデン

田舎のショッピングモール(ドーバーモール)

フェス・エントランス

ステージはこんな感じ

NY&デラウェア旅行記 2日目−2

Modest Mouse は男気バンドってイメージが強く、インディーロックの中でもそれぞれの曲にクセが強くて、
曲ごとの思い入れの差が結構激しい。
まぁ、けど直近2作はわりとマニアック度は低めで、一般のリスナーにも広く受け入れやすい感じではあると思う。
最初は直近のEP(これも曲は粒揃い)から「The Whale Song」で、何かを挟んで「The World at large」
早速ハイライトが来ちゃった。
この曲はライブで聴くのは初めてでこのバンドには珍しい感じだけど
淡々と進む序盤のボーカルと哀愁満載のメロディーが個人的にツボ。
その後も「Dashboard」なんかが続いて、前日のデスキャブと同じくらいの大歓声が場内に響き渡る、
客層はやっぱデスキャブよりも全体的に野郎感が強い気がする。
バンドも相変わらずメンバーが沢山いるんだけど、Eric Judyがいない。
基本的にはアイザック・ブロックのワンマンバンドだけどエリックは確か創設メンバーだったはず。
自分の中ではウィルコで言えばベースの人(ジョン)がモデストマウスだとエリックに該当するイメージ。
要はフロントマンを支えるベースのオリジナルメンバー。
帰ってから調べたら子育てに専念するため半分脱退したような感じらしい。味のある風貌とプレイ振りだっただけに残念。
中盤以降はアイザックもパーカーはとっくに脱ぎ捨て、一気に半袖になって熱くプレイ。
アンコール序盤は「Satellite Skin」と「Missed the Boat」。どっちもミドルテンポな曲調ながらも
メロディーの良さが際立っていて好き。こういう曲もあるのがこのバンドの強みだろうか。
アンコール5曲目くらいに「Float on」を見届けたところでタイムアップ。
昨日のデスキャブより全体の時間が長引き、このまま残れば最終列車に間に合わなくなってしまう。
後髪を引かれる思いで会場を後に、後から調べたらその次にボブ・ディランのカバーをして終わったみたい。
十分満足だったけど、実は翌日も Modest Mouse を観ることになるのだった。